自らを見出すとき

 ダンジョンから飛ばされ、遥かかなた、草原に生きる騎馬民族の集落に落ちたアラジンは、ルフを見ることができる老婆と出会う。その大きく包む優しさに触れ、自分とは何かという問いに対する答えを見出しつつアラジンだったが、その集落には、巨大帝国の侵略の手が迫っていた。
 何も持っていないと思い込んでいたアラジンが、実はたくさんのものを持っていたのだということを気づかされることにより、彼が進むべき道を見出していく。言葉で示すだけでなく、行動によって示すことに価値がある。だからこそアラジンも、素直に受け入れることができたのだろう。

 さてその頃、もう一人のダンジョン脱出者のモルジアナは、故郷を目指すキャラバンの仲間となっていた。

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大高忍作品の書評