2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

物語がつなぐ青年と少女

純文学作家を目指して書生みたいな恰好をしている青年矢文学が、編集者の薦めでライトノベルを書いたら爆発的なヒットを生み、作中の舞台を巡礼に来ていた少女椎名明日葉に一目ぼれしてしまい、お近づきになろうとするのだが…という作品。 始まりと終わりが…

何をもって人は人たり得るか

以前から購入リストに入っていたのだがなかなか見つからず、復刊されてはじめて絶版になっていたことを知る。日々数多くの本が出版されるのは良いことだけれど、簡単に絶版になるのは困りもの。こういうことが頻発するようになると、グーグルのやっているこ…

カナの武者修行

「お前はワインしか見ていない」そう言われて店をクビになったカナは、偶然の出会いという幸運によって、銀座のワインバーをまかされることになる。 1か月以内に黒字にできなければクビ。無茶とも思える条件を出されたカナの前に現われる、年下のギャルソン…

深淵と向き合う時

騎士団の手でリェロンが処刑されたことにより、黒のセプターによる神殿の侵略は一気に進む。魔力を略奪され病床に伏す母を見、リェロンのグリマルキンの指導によって騎士団への反抗を企てるアーティミスとセプター候補生の学童たち。的確な戦術とアーティミ…

奇策と超人技のコンボ

一万の聖王国軍を破り大教会を解放したものの、デュロニウス率いる二万の軍勢と遠征軍一万に包囲され、味方の軍勢に連絡を取ることもできずに孤立した銀卵騎士団。クリスを引き渡せばプリンキノポリは攻撃しないというデュロニウスの言に踊らされ、市当局と…

書き方の方針転換

映画化もされた「神様のパズル」の続編。前回は宇宙を作る話だったけれど、今回は内宇宙(=心)を改造する話。「メシアの処方箋」「僕たちの週末」も含め、技術サイドの話に終始して登場人物自身がほったらかしにされる傾向があるように感じていたが、今回…

終わっても消えてなくならない

今回は新たな攻略対象は年下の生駒みなみ一人だけ。描き方も攻略対象視点といつもと違うけれど、年下に対する桂馬の攻略後の感慨もいつもと少し違う感じがする。他には桂馬以外の協力者として、乳性飲料配りのおばちゃんが登場。ハクアのドタバタもあり。 番…

自由に本を読むために戦う

聖堂という中世の教会の様な国が教義の背く書物を焚く世界で、本好きで星導師という星の力を使う魔法使いの少年ジグウォルが、「万巻の書」という膨大な本を記録している精霊の少女レジィナと共に、「五賢七書」という星導術の本を求めて旅する物語。 同出版…

ミステリーもだけれど、考古学も忘れないで

森羅の養父の一人レイが登場。この回は、古代バビロニアのつぼが登場するので考古学の話なのだが、他の回はあまりそういう要素がなくて少し残念な気がする。話の内容的にも、別シリーズのQ.E.D.とかぶり気味な要素が散見される。同時連載ということを考えれ…

それぞれに合ったやり方で

1本目は世界一の富豪アランとその婚約者エリーが設立した慈善事業財団が支援する地域で起きた、国際開発支援を巡るトラブルの話。同じ失敗を二度と繰り返さないコツは、なぜ失敗したのかを客観的に分析し、その原因をひとつひとつつぶすことなのだけれど、言…

ただ一人決断する者、誰かに背中を押してもらう者

ページが進んでも話がまとまりそうにないなあと思っていたら、次巻に続く。地下攻略に新展開があったり、真壁の周辺で人間関係に変動がありそうだったりするので、早く続きを出版して欲しいところ。 相変わらず大勢の人物が登場し消えていくのだけれど、事態…

突っ込みキャラの参戦

前巻に少し登場した昴の幼なじみ葵が本格的に絡んでくる。昴を真っ当な道に戻すと称して、昴の身柄を賭け、智花たちと5対3のバスケットボール対決をすることになる。愛莉の精神的成長を促すという、戦力増強のための絶対的命題への対策と併せて、物語は展開…

いつか再び、違うかたちで出会うまで

アンコールなので、盛り上がった熱をいや増すように、あるいは穏やかに冷まして日常に戻すかのように、メインキャラクターたちを主役とする小品が5編まとめられている。 真冬と直巳の結婚と絡めた、音楽家の愛の証にまつわる話や、神楽坂の情熱の火が灯され…

王さまがいない間に

進級して3年生となった黒雪姫が修学旅行で不在の間に、新1年生バーストリンカーの罠にはまり現実世界での弱みを握られてしまい、バーストポイントを献上する犬となることを強要されるハルユキ。新たにバーストリンカーとなったチユリも、ハルユキを守るため…

マンガへの進出

西尾維新原作ということで購入した。簡単に言うと、才色兼備超絶無敵の生徒会長が目安箱の投書に寄せられたトラブルを片っ端から解決し、ついでに生徒会役員も増やしていくという物語。変に偏った能力の持ち主が登場し敵対するので動きがある分、マンガとい…

誰もが戦いを挑むことは出来る

今回の影の主役は葉柱と雲水だった気がする。 飛びぬけた才能を持った人間たちの中で、凡人がどう振舞うか。分を弁えてひっそりと生きる雲水と、能力のなさは自覚しながら内から沸き起こる衝動を抑えきれず挑む葉柱。どんなにがんばってもみんなのヒーローに…

他の作品がかわいそう

内容の話はひとまず置いておいて、タイトルの付け方があまりにもアンフェアだ。外伝とかついているが全く外伝ではない。普通に短編集の部分を前面に持ってくればよいのに。 内容的にはほぼ完全にギャグマンガで、トリコの作風とはかなり違うけれど、それ以前…

対立深まる

ジュエルミート編の戦いもついに決着。トリコ、ココ、サニー、テリーの戦闘が並行して繰り広げられる展開で、今回は美味しいものに夢中になるほのぼのした部分があんまりなかった。四天王がGTロボをぶっ壊せるようになってしまうと、GTロボが主力になること…

ぬらりひょんの過去

花開院ゆらの兄たちの登場により舞台の中心は四百年前の京都へと移り、若かりし頃のぬらりひょんと羽衣狐の因縁のはじまりが描かれる。青春18キップで京都まで移動するゆらは兄たちのいいおもちゃになっています。 これまではリクオが主役で、彼がほとんど人…

鷹宮助教の黒い影

制度融資詐欺のエピローグ、投資顧問詐欺、詐病詐欺、有名人詐欺のプロローグを収録。この作品を読むと、変な話、詐欺師ってよく色々な制度を勉強しているなあ、と感心してしまう。もしかすると、制度を作った人間や法律家よりよく知っているのではなかろう…

ダークヒーローの復活

16年前に刊行された「JESUS」の続編。「暁のイージス」にも登場していた殺し屋ジーザスの前に再び24の影がチラつく。 楯雁人は色々と歪みを抱えていて悩むので、人を殺さないのにダークサイドの人間という印象があるけれど、一方でジーザスは人を殺しまくる…

それぞれの思惑が絡み合う戦場

蒼橋義勇軍と紅天星系軍の初回攻防戦と、その結果生じた事故による被害を収拾する作業が今回のメイン。ただ、その混乱に乗じる形で、紅天星系軍の工作が進行する。蒼橋vs.紅天という基本的な構図の中に、紅天内部での政治対立、あるいは現場レベルでの蒼橋と…

宇宙空間を舞台とした独立運動

20年くらい前に発表された「銀河乞食軍団」シリーズを原本として、その前日談を描いた作品。同時に原本もリニューアルして発売されている様だから、それに彩りを添える新作を、という背景があったのかも知れない。 もともとのシリーズを読んだことがないので…

エレメンツ・ネットワークの具現化

源田刑事がなぜ土方護を人殺しと呼ぶのか、護の過去の一端が明らかにされる。そして、これまでは監視者による多数決という形のない存在だったエレメンツ・ネットワークは、その創設者が明かされることで、実体をともなった意思に、ある意味単純化された。 こ…