2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

扇本家の事情

扇七郎の乱入もありながら、良守の活躍により烏森は一応の平穏を取り戻した。しかし、総帥により引き起こされた裏会の混乱はまだ続く。そんな時、墨村家にある人物が訪ねてきて事態の急展開を導く。 これまでは烏森という土地に縛られた話だったけれど、扇本…

崩れそうになる信頼関係

軍に壊された鉄大兎を助けるため、軍を出し抜こうと画策する紅月光たち生徒会メンバーたち。サイトヒメアはかつての自分の力を取り戻して大兎に接触しようとするのだが、その行動はこれまで二人が築き上げて来たはずの信頼関係を崩壊させてしまう要素を孕ん…

神さまはいないけど神のごとき力はある

100万人以上の死者が住む死者の国、オルタス。旅に出たアイたちが拾った少年キリコを送り届け、その恩により普段は許されぬ生者の入国が認められ滞在することになった街で、アイは多くの死者たち、そして、オルタスの姫ウッラに出会う。 何も考えていないよ…

収拾がつくのかというくらいの広がり方

表紙が表紙なので最終巻かと思ったのだけれど、もう一冊あるらしい。確かに、表紙を良く見ると、南雲慶一郎がいない。 肝心の物語はというと、ただでさえカオスになっていた大門高校の文化祭が、魔王降臨により、さらに断片化されたエピソードの連なりになり…

慈悲なき戦争

ニコラの抱える秘密を追ってたどり着いたスカイタルカス。そこは宗教戦争の最前線の町だった。そこで、ビートの師匠ジョエル・バーンズと出会ったホープは、父ピース・エマーソンの過去を知らされる。 一方、ニコラの抱える秘密を打ち明けられたミクシーは、…

一人前になるには

社会問題を絡めながら、ルビーマスター・ヒロミとエメラルドマスター・エスメラルダの人格的成長を促すストーリーになっている。そして、ジュエルマスター・流崎レイカも子供扱いする実力の持ち主であるサファイアマスター、サエコ・ミレイが登場する。 生活…

未来視も鎖となるのか

黒狼公の領地の隣国を所領に持つ第二皇子から盗賊捕縛協力の要請がある。それに協力する過程で、ヤエトは彼の恩寵である過去視の対となる未来視の恩寵の持ち主と出会う。そして、預言を与えた人々を取り込んでいくさまに、そして未来視を絶対視し自らの努力…

役者たちが決戦の舞台に上がる

冥王オルクスの力が取り戻されていくのと呼応するように、急激に高められていく全ての烙印の力。その時を待ち望んでいたかのように、聖都では王太伯や大院司が、そしてそこから遠く離れたアンゴーラでも、テュケーの血を求めた策動が本格化していく。 本国へ…

新たな舞台へ

北嶺郡を北方民族から護り、隠居願望を満たせるかと思ったヤエトだが、事態は彼の願望に反し、北嶺は郡から国へと格上げ、皇女は北嶺王となり、その相に任じられたヤエトも、貴族になることとなった。叙爵のため赴いた帝都の新年の祭で、皇帝はヤエトに思わ…

勇者の事後談

異世界アレイザードで勇者となり、元の世界に帰還した鳳沢暁月には、魔王を倒した彼をもってしても困難な、やらなければならないことがあった。それをなすために、アレイザードから伴った魔王の娘ミュウと共に、異世界からの帰還者が入学を義務づけられるB…

いかにもファミ通文庫らしい

文研部に所属する、八重樫太一、永瀬伊織、稲葉姫子、桐山唯、青木義文の5人は、ある日突然、「ふうせんかずら」を名乗る正体不明の存在から、しばらくの間、アトランダムに人格入れ替わりが起きるという事実を告げられる。 目的は不明、入れ替わり終了条件…

闘い終わって

長老の過激修行に耐えたケンイチと、YOMIのふたご姉弟ポルックスの対決に決着がついたころ、梁山泊の中堅師匠三人組は、闇の拠点のひとつに襲撃をかけていた。そこにいるはずのカストル救出も彼らのミッションに加わるのだが、共同作戦を行う警察の独断…

パートナーたちの活躍開始

オスティア崩壊、ナギとアリカの別れ、そして…という過去編も終わり、過去から続く因縁との最終決戦の火ぶたが切って落とされる。しかしネギは闇の魔法の後遺症で不調気味。その穴を埋めるように、彼の仮契約者たちが活躍する。 色々と仕込んであった小ネタ…

大層凝っている

小さな国の小さな街に生きる美しいが不道徳な人の一族を5代くらい追った物語になっている。ページ数を見れば分かるように分量は少ないが、紙質や挿画や装丁などには大層凝っている。 背徳的でいて何となく美しい物語だな、とは思うが、内容についての論評は…

バランスがいま一つと感じた

今回は分量のバランスがいま一つだったのではないかと思う。第一話「呪われたゲーム」が約6割、第二話「ハクアの休日」と第三話「レイニー・ブルー・ストーリー」が約2割ずつ。しかも、最大の紙幅を取っていた第一話は、本物の悪霊が仕込まれたギャルゲー…

枷から解き放たれる

表紙が上巻と似た構図なのだけれど、鎖の部分の違いが下巻の内容を象徴的に表している気がする。ただ、性格的には皇女の方がこの構図に似合うけれど、そこまで誘導したのはヤエトだった気がしなくもない。もっとも、彼の性格的には、鎖をちぎるというような…

見かけの派手さではなく、精緻な細工が魅力

帝国の官吏であり、数百年前に帝国に併呑された王国の末裔でもあるヤエトは、帝国の辺境、北嶺郡の尚書官に左遷される。彼以外の官吏は全て現地採用であり、控えめに言っても官吏ごっこをしている程度の能力しかないが、代わりにのんびり過ごせるとヤエトは…

サポート役のヒーロー

鏑木真哉と周囲の人物が物語の中心にいるため、アクション多めのストーリーになっている。その合間合間で様々なパターンのストーリーが入るので、色々と試行錯誤している感じがする。 でもやっぱり、先生よりも生徒が中心になっていることは変わらない。大人…

起死回生の一手

2巻の真犯人ともいうべき人物の姿から我が身を省みて阿部真理亜への態度を冷たくした遥海慧。突然の彼の変貌に混乱した真理亜は、遥海家を出て行くことを決心する。ところが、折悪しく、真理亜を小布院の関係者と勘違いした誘拐犯と遭遇、誘拐されてしまう…

反転する真実

穂吹武臣の中学時代の友人である秋永貴也が不審な状況で不登校になっていることを知り、様子を見るべく彼の自宅を訪問した遥海慧たち。そこで出会った秋永貴也は、半年の記憶を欠落させていた。阿部真理亜の情報から、1年以内の記憶を消失させるクロノグラ…

ゆっくりと伝わっていく

人間の心の弱さや負の感情を糧にして活動する「病魔」に罹る中学生と、それを喰らい尽くす力を持つ養護教諭の交流を描く物語。1巻は、外見がホラーなため生徒に避けられる養護教諭、派出須逸人が、病魔に罹った生徒を助けていくことにより、少しずつ周囲に…

人間が時間を操作できるようになったら

遥海慧は自宅裏の神社で、自ら天使と名乗るピンク髪の少女、阿部真里亜と出会う。一度は姿を消した彼女だったが、彼女が残した注射器を取り戻しにやってくる。その注射器は、生物の時間を巻き戻す効果を持つ道具リザレクターだった。 人間としては赤ちゃん同…

様々な紳士服地

不況の影響で高級生地が売れなくなったロンドンのクラリッサが、新たな生地を探しにナポリを来訪する。そこで織部の仕事ぶりを見た彼女は彼に内弟子入りを志願、それを知ったラウラやパリのエレナが乱入してちょっとした騒動に発展する。 ラウラやセルジュの…

良い仲間、良いサービス

周囲の人の協力や良い仲間が見つかったことで、順調に営業するカナのワイン・バー。でも、時々はトラブルも起きる。 良いお客さんに良いサービスを提供するのは当たり前、嫌なお客さんにどんなサービスを提供するのか。そこが腕の見せ所かもしれない。 bk1 a…

違った一面

高坂京介&赤城兄IN秋葉原で大人体験?のエピソードや、みんなで沙織の家をサプライズ訪問エピソードなど、これまでとは違った一面が見られたりします。 今回は桐乃とのカラミが多めだったかな、やっぱり。 bk1 amazon 伏見つかさ作品の書評

最後の事件

城翠祭の成功に不可欠なものを盗むという犯行予告を受け、その犯行阻止を目指し会場中に散らばる実行委員&ミステリ研メンバと、天乃原周たち。学園祭という非日常の空間が、普段は表に出ることのない数々の想いを表出させ、それが人々を変化させたりしなが…

変化を強制する劇薬と拒絶反応

魔法士誕生の秘密と彼らの遺伝子にかけられた枷の存在を暴露することでシティの仮初めの平和を乱し、武力介入と亡命者の受け入れでシティに匹敵する影響力を手中にしたサクラと天樹真昼が率いる賢人会議は、北極事件から半年でシティ・シンガポールとの同盟…

瞬間瞬間の面白さを求める

いつもとあまりにテンションが違うのでビックリ。思いついたら即実行という感じ。最初は別人みたいと思ったけれど、これはこれで何となく自然に感じるし、最後にはやっぱり同じ人という印象になった。 ストーリーは、後輩の七花連がタイムトラベル能力に突然…

胎動

大切なものを権力に奪われた時にどうするか。涙を飲んで諦めるか、代わりのものを見つけて慰めとするか、はたまた、取り戻そうと行動するか。これは取り戻そうと行動する人たちの物語。ただし、取り戻そうとするものや取り戻すための手段の選び方は、それぞ…

大人率が高めの短編集

短編集なので普段はメインに来ないような人をメインに、ということなのかもしれないが、エピソードの中心にいる人の大人率が高め。ミンさんや彼女の同級生二人(酒屋&ゲームセンター)に巻き起こる事件への、ニート探偵の活躍が描かれる。 ミンさんの狙われ…