2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

音符と休符の連なりの間に

最終巻。もう少し色々な面子の先が見たいような気もするけれど、のだめを中心にするのならここで終わりなのだろう。だって、彼女がきちんと音楽と向かい合う決断をしてしまえば、また勝手に突き進んでいくのだろうから。 のだめが自作曲を弾いてからベートー…

80点で得る幸せ

樫森高校v.s.桜川女子高の人間モノポリー対決の後半戦が開始される。自治体と高校の統廃合問題にもついに決着がつく。ゲームに勝敗はきっちりつくけれど、本当の意味での敗者は生まない終わり方になったんじゃないかな? この落とし所は地方自治体のレベルで…

助さん格さんの要らない水戸黄門

ダイアナが一人でお出かけしている時のこと、リゾート気分を満喫していたケリーとジャスミンに、人を使ってちょっかいをかけてきた少女オディール。初めは迷惑そうにあしらっていた二人だが、何度か彼女に会うことで、父親の言いなりになっているオディール…

残せたのはさようならの一言だけ

本巻から御坂美琴のシスターズとアクセラレータの物語に話題は転換する。 自分だけの確かな現実を築き上げるわけでもなく、『樹形図の設計者』という人の手により作られし神の預言に従っているだけという免罪符を振りかざし、倫理観のかけらもない実験を進め…

魔術の見えない世界

電撃文庫「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品であり、同作に登場する学園都市<超能力者>第三位の御坂美琴の視点で、学園都市の科学サイドでの出来事を描いたもの。だから、上条当麻は登場するけれど、インデックスは出てこない。 本巻では、御坂美琴…

ヒロインがガイコツのラブコメディ

死霊術師の権威の家に生まれエリートとして育てられた少年ソリス・アレサンドロが、唯一、対等の友人関係を築けた少女マシロ・アナスタシアは病没する。幼さゆえに死者をよみがえらせようと試みるソリスだが、自然の理に反する術は当然のごとく失敗する。 5…

イレガウラの守ったもの

世界一の魔法使いを目指す少年ジオは、三賢者の一人イレガウラ・レヒュタスの下で暮らしていた。ある日ジオは、イレガウラの管理する禁呪を狙って現れた賊を誤って招いてしまい、イレガウラを喪う。図らずも二つの禁呪を身に宿す存在となったジオは、数年後…

フルメンバー集結

天才少女の志熊理科、実年齢10歳のシスター高山マリア、小鷹の妹である羽瀬川小鳩が新たに隣人部に入部。1巻は教室内で浮いている小鷹がある意味メインだったが、本巻では隣人部内で突っ込み役に徹する小鷹がメイン。理科、マリアの加入で人間関係の変化が浮…

謎の核心への序章

剣闘大会が終了し、残る白き翼のメンバー探しに注力しだしたネギたちの前に現れた、新オスティア総督クルト・ゲーデル。神鳴流を操り、ネギの母親の秘密を知る彼の正体は?20年前の大戦の秘密、10年前の出来事、6年前の事件、その陰に潜む核心へと徐々に近づ…

エーちゃんの次なる課題

フロリダ編が終了。拮抗する実力の間でほんの少しだけ勝利の側に天秤を傾けるために必要な、自分自身への理解と自信を深めて帰ってきた丸尾栄一郎。しかし、その余韻に浸る時間的余裕のない彼は、次の壁へと挑むことになる。 テニスを始めたころから、遥か遠…

日本美味しいものめぐり

時事政治ネタから離れて、料理大会に勝つという筋が通ったことにより、全国各地食材巡りの様な寄り道をいっぱい入れても、物語の芯がぶれなくなった様に思う。やはりストーリーは一本筋が通っていないと、まとまりがつかなくなる。 政治から離れた結果、官邸…

精神系の能力って実在証明が難しいね、見えないから。

人里離れた洋館で、首なし死体が一つ。洋館自体が密室で犯人は内部の人間に限られる。さて犯人は?という状況で繰り広げられる物語はミステリーと言えるだろう。しかし、本格推理かというと、そうではないと思う。 登場人物が特殊能力を持っていて、それを使…

読者層の年齢上昇を感じる

コミックス1冊分10話をかけて、2段構えでボッスンの過去編。少年ジャンプには珍しい、現代を舞台としたシリアスな話題を扱いながら、10週続けても人気を保てているというのはすごいと思う。9巻かけて築き上げた世界のおかげだろう。じっくり仕込んだ結果が生…

苦しんでも苦しんでも何故か連載を目指す

服部哲から港浦へ担当が変わり、初連載への不安と共に、担当編集の言動一つ一つに揺れ動く真城と高木の二人。何とか連載までこぎつけたものの、アンケート結果はいまいち伸びず、それにも拘らず余裕をかます港浦への不信感は増していく。 その頃、福田組の一…

りんご1個たす、バナナ1本は、いくつ?

著者は元世界銀行の南アジア地域副総裁であり、在職中に出会った数々のリーダーたちとの思い出の断片が綴られている。元々連載されていたものなので、1編1編は比較的短い。インドのマンホハン・シン氏とパキスタンのパルヴェーズ・ムシャラフ氏に始まって、…

政治任用問題の一般化への試み

本書では、米国の官僚組織に対する政治任用に関して2つの問いを設定している。1つは、組織によって政治任用の多寡があるのはなぜか、であり、もう一つは、政治任用は組織のパフォーマンスにどのような影響を与えるか、である。 民主党政権に交代する直前まで…

揺れる振り子の平衡点

シャイナとドルキの襲撃で壊滅状態に陥ったアゲハたちの前に現れたのは懐かしい人々だった。彼らのおかげで何とか危機を切り抜けたアゲハと雨宮は、彼らの口からリバースデイに起こった出来事を知る。その時、世界に何が起きたのか? 現代での行動が未来を変…

少年がのぞく少女の世界

三村朔太郎は中学校卒業式の日、教室で幼なじみの小町梅に心無い言葉をぶつけてしまう。後悔冷めやらぬ高校入学式の朝、奇妙な路地で少女とぶつかった三村は、体が入れ替わっていて、その少女ミムラ・S・オールドマンとして、時間を操る魔法を学ぶ学校に入学…

ハードボイルド・アクションを崩した感じ

吸血鬼が世界各地で組織を作り、人類社会と併存している世界。血が飲めず無能のために組織から放逐され、普通の高校生として生活を送っていた日下悠弥の前に、中学生程度にしか見えないエージェント、リゼット・ファン・ルクレールが現れる。彼女いわく、グ…

ボトムアップの戦記もの

二正面作戦回避のため、シムールを味方に取り込みに大族長会議に乗り込んだ泉野晴凛だったが、ミーネ姫の秘策のせいで彼の嫁を決めるための料理決戦が勃発してしまう。普段は料理なんてしなさそうな二人が、晴凛のために一生懸命に創作料理を研究するのだが…

1巻に戻ったみたいな印象を受ける

読み終わって最初の感想は、これで完結なんだっけ?それともまだ続くの?という、不思議な感覚。短編とか後日談はあるらしいけれど、一応完結したらしい。本当にクライン・ボトルみたいな終わり方だった。以前にチョロっと登場したキャラが、結構重要な役回…

あなたのえいえんの国はどこにある?

「赤朽葉家の伝説」のスピンアウトらしいのだけれど、登場人物の名前が変わっているのはなぜだろう?70年代後半から80年代前半、赤緑豆小豆が中学校に入学し、製鉄天使というグループを立ち上げて四国地方を制圧していく歴史をひも解きながら、少女の変化と…

戦場の流儀

三つ子の魂百までというけれど、権威によって幼少期に与えられた概念は、後々まで人の思考を縛る。権威の形は人それぞれで、親、教師、先輩、宗教、死にまつわるイベントなどあるけれど、この権威によって常識として刷り込まれたものが、自分の判断の物差し…

敵から見れば鬼、その仮面の下には美しき顔

隋建国の少し前、新三国時代の一角、北斉の皇族である高長恭(蘭陵王)の悲運の一生を、徐月琴という道姑を見聞者として、北斉の勃興から滅亡までと絡めて描いた作品。顔が美し過ぎて威厳を欠くので仮面をつけて戦った蘭陵王という若者が実在し、その知武に…