2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小学生女子の日常?

電撃文庫MAGAZINEに掲載の短編2本と、書き下ろしの掌編&短編が収録されています: 湊智花の母親、花織さんが長谷川家を訪問した際の騒動を描く「智花のいちごサンデー」。 昴を何とか振り向かせようと口実を作って自分の部屋に呼ぶ葵の姿を描く「葵のぷち…

ネガ・ネビュラス解散の謎が明かされる

ハルユキは、ヘルメス・コード縦走レースの最中に起こった戦いの中で、赤の王スカーレット・レインの手により消滅させられたはずの災禍の鎧を呼び戻してしまった。この状況を打破するため開かれた純色の七王による会議の結論は、7日以内に災禍の鎧を浄化す…

復讐の道の原点

砂塵舞うカダスの学校でジーザスや水谷小百合、子どもたちを襲った悲劇の始まり、そしてジーザスの復讐の道のりが描かれるエピソード、砂塵の旅人を収録している。闇のイージスなどに登場した守渡陽子なども少しだけ登場する。 綾木日奈が下した英断。それは…

才能は無いけど自信満々な人と孤独な神さま

詩人を目指すといって他に何もしない大学生の柏木絆は、大学の裏山で遺跡を発見する。その遺跡にいた少女と出会い、彼女の詩才に驚嘆した柏木は、行くところがない少女を騙し、自分の弟子と称して、彼女の才能を利用しようとする。 その少女、デシ子との生活…

大江おばあちゃんが表舞台に

漢字も良いけれど、仮名は柔らかさがあって良い感じ。大江縁のおばあちゃん英子が、かなの指導者として登場して、代理戦争のような要素が付け加わったことも面白さを助長している気がする。 大学のオープンキャンパスを通じて勃発する、鈴里と鵠沼の対決、そ…

目の前にぶら下げられた糸

御木本の件で一線を越えた黒崎の変化の度合いを試すために、指標となるシロサギを与える桂木。自分の手のひらの中で転がし続けようとする桂木と、そこから抜け出そうとする黒崎の、仮面の下の戦いが本格化する。 小休止を置いて日本での仕事を再開する黒崎に…

どうでも良いところと、どうでも良くないとこ

横浜港の一角にある倉庫で、マウスは倉庫番をしている。とは言え、実際の管理はAIがやっているので、彼の仕事はAIの相手をするのみ。家に帰れば、マウスにべったりの姉が待っている。 そんな毎日に紛れ込んできた異分子、佐治まことは、かつての恩師の娘だ。…

友達の定義を考えたくなるかも

高校の入学式当日に、沖田善一の鎖骨にドロップキックを決めた少女、明華武瑠は開口一番にこう言った。私の友達になってくれないか、と。普通ならばいきなり自分を骨折させるような暴力少女と友達になるはずもないのだが、あまりのかわいさに思わず首肯して…

自分をさらすことで他者を満たす、あるいは自分を証明する

ネットで様々な情報を手に入れられる様になって久しい時代。他人の秘密を探り出すことに人生を捧げ、それが満たされないと禁断症状として自傷他傷に走るIPI症候群の存在が社会問題となってきた。その混乱を防止するため、政府はIPI配信者という存在を合法化…

自分にとっての真実の世界

27年前から一般に認知されるようになった、世界に対する認識が他者とは異なる少年少女の存在。例えばそれは聴覚で世界を視る人々であったり、数字で世界を理解する人々であったりする。彼らは自身を規定する言葉を持ち、それを他者に伝え受け入れさせること…

アホ王子の襲来

1巻で養護教諭カミラ・アーカードの唾液で命を救われた防衛委員たちが、その副作用でささやかな超能力を発現させることになった。そのおかげで、神通細香の秘密を共有することが出来るようになった防衛委員長の最上健吾。生徒会長の衣笠初恵に現実を見ろと…

その2種を分けるもの

地球人の恋の研究するために、アンドロイドになった神崎光輔だけでなく、佐藤日奈子や渡良瀬蒼馬を巻き込んで、様々なイベントを引き起こしていく宇宙人の月夜野イリア。恋を知るためということで形だけを真似ていたはずなのに、段々とそこに本当の心が紛れ…

引き寄せられる兄と妹

ユウマの代わりに金髪の魔女の罠にはまった青い髪の魔女は、閉ざされた百年迷宮に落とされる。 その頃、ギルドを結成したユウマやオリエたちは、新たにゲームに参加することになったユキナを加え、リョータが持ってきた情報に基づきワールドエンドライツを求…

過去の上に築かれる現在、いまここにある自分

人格入れ替り、感情暴走と来て、今度は時間退行現象がメンバーを襲う。外見と共に精神も幼い自分になったり元に戻ったりする4人に対し、何故か変わらないままの太一。 冬休み中であることを利用して、何とか周囲にばれない様に廃ビルで退行現象をやり過ごす…

フリーライターが巻き込まれる世界的陰謀

2020年2月14日。音信不通になった弟、明雄の自宅を訪ねたフリーライターの清水シュンジは、射殺体となった弟との再会を果たす。重要参考人として警察の取調べを受け解放された清水のもとに、弟の婚約者を名乗る美女、榊玲子が現れる。彼女からの情報を基に、…

その気もないのに抜いちゃった

超人的な体力を持つ姉タマキのおまけで、双子の弟ユウキは新大陸発見に赴く開拓船に乗り込むことになった。普通の人以下の体力しか持たないユウキだったが、出発前に立ち寄った王都で伝説の魔剣グラムを抜いてしまう。 誰にも見つからずにグラムを開拓船に持…

後ろ向きな理由で突っ走る前向きさ

佐品直純はある目的を持ってサキュバスの召喚に臨む。結果現れたのは、ロセリーというサキュバス正統派の貴族だった。ところが貴族ゆえにその力は普通のサキュバスの数百倍というもので、普通の人間が彼女に触れれば数秒で死んでしまうという。 何とかロセリ…

戦争という概念と戦う

兵器の動力源が搭乗者魔力という世界。大国同士の戦争は新型魔法爆弾の余波による全兵器の故障という理由で5年前に停戦したものの、何故か兵器たちは搭乗者なしで自走し、周辺の集落を襲うようになった。集落では自分たちの身を守るために私兵力として戦車…

他人のためには取り戻せるのに自分には取り戻せない大切なもの

日暮旅人は他の人に見えないものが見える。それは声であり匂いであり味であり感触である。彼は視覚以外の五感を失った代わりに、他の感覚を目で見ることが出来るのだ。彼はその能力を利用して、誰かの大切な探し物を見つける探偵をしている。 彼の娘である百…

普通の世界に加えるスパイス

作品全体としての完成度が高いかというと必ずしもそういう訳ではなくて、慣用句の使い方や言い回しも含めて、今後の成長の余地はあると思う。ただし、サブキャラを通じた緩急の使い分けと、その結果として主人公たちの間に生まれる空気感を読者に感じさせる…

幻の四ツ谷先輩

狐狗狸さん事件解決後に四ツ谷先輩が消えた?最後の怪談となる幻の四ツ谷先輩、そして、書下ろしとして、幻の四ツ谷先輩誕生の物語を収録。四ツ谷先輩とあかねさんの二人暮しの家を、中島真が訪問する。 ほかに、読切「王様キッド」「詭弁学派、四ツ谷先生の…

夏休みにも下校をする方法

夏休み前に池田十勝が丹下まりもについていた小さな嘘の内容とは。そして、夏休みも下校をするために十勝が繰り出した秘策とは何か? 3巻目だからそろそろ出しても良いかなという感じで、千歳キララが抱えていた秘密が十勝に開示される。中盤ではそういうキ…

頑張れパオラ、負けるなジュリオ

王配候ルキウス・グレゴリウスとの戦場をパオラに任せ、フランチェスカは新たな総大主教を決定するコンクラーベが開催されるプリンキノポリへ向かう。そしてマルマテオ司教補との再会がフランチェスカに新たな戦場と苦い敗北を与えることになる。 一方、戦場…

オリジナル能力者の登場

佐藤光一の通う学校にも学園祭の季節が訪れる。初めて通う学校、そして初めての学園祭に、アルルは期待でいっぱい。しかし、オーロラという組織がシェードのメンバーたちを襲い、アルルに迫って来る。加えて、光一が間違えられた能力泥棒本人が彼の前に立ち…

選択肢にあふれた世界

蒼星石の提案、まかなかったジュンの決断、まいたジュンの努力、そしてローザミスティカの力という要素が結集して、ついに道が開かれる。まかなかったジュンにはこれまで見えなかった、選択肢にあふれた世界が広がり始める。 これで、まかなかったジュンの物…

地獄にまつわるエピソードは新たな展開へ

桂馬が女の子になってしまった五位堂結が完結する。これまでと立場が逆転して、相手に動くように仕向けるところが特徴的。逆の立場から駆け魂狩りを見たことで、それに囚われた女の子たちに対する桂馬の見方も変わっていくかも知れない。 そして、地獄にまつ…

革命前夜のクライマックス近し

前半はローランド帝国革命前夜のクライマックス間近の物語で、後半はドラマガ掲載の短編3本を収録している。 シオンを見下しているクラウたちが、今後どういう経過を経て今の関係になるのかが少し見もの。他にはフェリスがライナを変態色情狂と呼ぶ理由が分…

近江神宮に連れてって

瑞沢高校かるた部のメンバーたちが高校選手権の都予選に挑む。去年は二年生たちが受けた洗礼を一年生たちが受ける中、チーム自体は順調に勝ち進んでいくのだが、思わぬ強敵が千早たちの前に立ちふさがる。 後半の主役は太一。努力に裏打ちされた実力は折り紙…