2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

プロを目指すものたちの対決

神奈川県ジュニアテニス大会決勝戦、荒谷と栄一郎の対決が始まる。前回対戦した時の欠点を潰してきた荒谷は、エーちゃんが左利きに慣れていない事もあり、理論に基づいた本能を重視したプレイスタイルも通用しない。原点に戻って、考えてコントロールするテ…

周囲の声と自分の意思

売上の落ち込み、担当編集の交代などで迷いが生じる矢文学のところに、純文学作家としての再デビューのチャンスが訪れる。 同業者との交流の中で自分が何を書くべきか、ライトノベルとは何なのかという疑問を抱いてしまい、何を書きたいかも分からなくなって…

伝えられていく想い

チルドレンと同じ学校に通い始めたパンドラ年少組に対し、かつて皆本に自分たちが教えられたことを彼らに伝える薫たち。そんな交流を快く思わないファントム・ドーターは、彼らの一人であるカガリに目をつけ、彼に超能力を使わせようと罠を仕掛ける。 前半は…

武器組との正面衝突

闇の武器組の赤羽刀奪取計画を阻止するべく、岬越寺秋雨の予測に従い分散して守りにつく梁山泊の達人たち。そして兼一が一緒に配置された場所には、武器組だけではなく、櫛灘師弟や紀伊陽炎も現れる。 櫛灘千影の百面相が面白い。学校の中でも態度がかなり変…

物語は一区切り

イーデン第五王女リーナと異母姉の第四王女パルヴィは、海図作成と航海術の勉強のため、海洋貿易で繁栄する隣国ビクラードを訪問する。道中はパルヴィと一緒で買い食いもできず息がつまるように感じるリーナに対し、パルヴィは素直になれないお姉さんの本領…

ジャンプにはあまりない傾向の作品

高校生プロカメラマン真田映を主人公とする作品。彼はシャッターアイという、一度見たものを写真に写すように記憶する眼を持っていて、常に片目を団体で覆っている。 こう書くとビジュアル的には恰好良いようにも思えるけれど、その行動が少し常軌を逸してい…

情報の集積とネットワークがもたらす展望

ネットワークの革新的技術者である野上の死後に送られてきた彼からのメールに導かれ、彼の事績を追いかけて行くうちに、国家間の陰謀にまで話が広がっていく。 この作品では、グループ企業の組織体制とルート証明書に至るツリーを、恋愛などの個人間のつなが…

日常を下敷きとする戦闘パートの妙

恒星間航行技術が失われて幾星霜。ある星に植民した人類は、世代を重ねるうちに1つの細胞小器官を獲得した。ミダースと名付けられたそれは、ボヌール波と呼ばれる脳波に感応して活動を活発化させ、"換象"という効果、即ち、火を熾したり、水を生み出したり…

不器用な生き方

全国から優秀な学生を集めた学園都市の高校に入学した鮎見勇は、中学時代にサイドキックというロボット競技の大会で敗北し、心機一転、高校デビューを目指す。しかし、その高校で出会った知能科学の天才桐生静華と賭けをすることになり、結果として、サイド…

輪廻の中に組み込まれた対立

君塚育人はなじみのゲームショップの店長から、オンラインゲームの試供版をもらう。試しにログインしてみると、そこに広がっていたのは約40年前の地元の風景。五反田駅近くのビルで、短刀と共に、カガチダチという謎の単語を聞かされたイクトは、プレイヤ…

ジェネシス再び

前巻から続いているお話は除くとして、本巻はギャグよりのお話が続く。懐かしのジェネシス再登場や、ぺロキャンにまつわるヒメコの壊れっぷり、椿をいじるお話などだ。 ただ、そういった何でもない話の中にも、次への伏線が仕込まれていたりすることもあるか…

兄の実力

ひょうひょうとして容易につかませない兄が、少しだけキリッとしたところを見せる第3巻です。兄をライバル視する新堂令一郎とオリガから成る新堂組が、リリエンタールを狙ってきます。 2巻から続いている「あんこくまじん」編も完結。てつこの問題は解決し…

おバカな掛け合い

舞台は「電波女と青春男」とリンクしている。彼らと同じ学校に通っている、高校二年生の黄鶏(かしわ)くんと、19歳の高校一年生多摩湖さんのカップルイベント集。 学校や家や旅館で繰り広げられるのは、多摩湖さんが徹夜で考えて来たカードゲームと称する…

バンド結成の裏で

茶子先生の思いつきで、ケーキにつられた木乃たちはバンドを結成、大会を目指す。普通のバンド話かと思いきや、その裏では茶子先生が暗躍し、アイドル歌手や変な黒服たちが関係してきて…。 魔物との戦いもあるけれど、今回はそれよりも学園の生徒が物語の中…

アイドルと素人の出会い

タコはスルーかよっ!、とツッコんでみる。 アニメの原作者と勘違いされてラジオのパーソナリティをやることになってしまった高校生常村良人は、家に帰って再び驚く。隣に引っ越してきたのは、先ほどスタジオで一緒に収録した、アイドル声優の音無まどか一家…

もがいて浮きあがろうとする物語

生まれてくる子供たちが感情を制御できない先天的特質を備えるようになって20年ほどが過ぎた。子供たちは自分で適合サプリと呼ばれる薬を調合しし、それを服用することで感情を制御する。 サプリとは脳内麻薬を調整する薬だ。つまり、実質的に麻薬に等しい…

鬼塚がスゴイ

日本とアメリカのサービスの考え方の違いを自分一人で吸収しようと奮闘する涼子。彼女の方法論は、一部で他の人にも良い影響を与え、でも届かない部分もある。そんな彼女の下へ強力な助っ人が訪れる。 一方日本では、鬼塚と有明の関係に変化が見え始める。な…

シチュエーションに合わせた生地選び

クラリッサの生地探しも終盤に入る。彼女の修業につき合っているうちに、ラウラのユウに対するライバル魂が再燃し、高級生地を使って自分の腕を見せつけようとするのだが、それがジラソーレに思わぬピンチを招いてしまう。 単に高ければ良いという訳ではなく…

近代と現代の類似点を感じる

日本の近代はいつから始まったのか?東アジアへの侵略を行った責任は誰にあるのか?という問いに基づき、父が娘に語るという体裁で、1トピックにつき5〜6ページで書かれている。この分量から分かるように、それぞれに詳細が語られるわけではない。だから…

自分の目で見て自分の頭で考える

世界の全てを表現した一枚の絵、智慧の樹。この絵に描かれたものは、世界の変化を写す様に絶えず変わり続ける。そして、描かれたものを描きかえれば、世界も変化してしまう。 そんな一枚の絵から生まれたミネルヴァ、天乃理に梟として見出された森本慧は、高…

同じ亜種でありながらも違う境遇

2巻の出来事から約300年後のこと。 小惑星帯に成立した国家の一つであるノイジーラント大主教国の主教の一人であり、強襲砲艦エスレル艦長でもあるサー・アダムス・アウレーリアは、海賊討伐任務の捜査の一環として救世群の居留地である小惑星に向かう。…

希望的観測と幸運の焦点

皇伏龍の策も見切って兵を伏せ、3万の軍勢で侘瑠徒包囲網を敷き終えた沢樹延銘率いる帝国緑軍は、攻城兵器の準備も完了して、外見上は圧倒的優位に立っていた。ただ、その内部には食料不足という大きな不安を抱えていて、士気に影響を及ぼしかねない。 一方…

1冊で2度おいしい

前巻のアクションの流れを引き継いだ「忙しい夜」、ケイとティラナの日常を絡めて特別風紀班のメンバーたちを紹介する「10万ドルの恋人」を収録。 前者は吸血鬼と襲われる美女、暗躍する敵、ミラージュ・ゲートに関する謎と、正統派のアクションになっている…

一つの目的に向かって

京都の入口にようやくたどり着いたリクオ率いる百鬼たちは、打倒した白蔵主の助言に従い、第一の封印である伏目稲荷の地に向かう。その頃、十三代目秀元の導きにより、花開院の陰陽師たちも伏目稲荷に向かっていた。 人間と妖怪、双方が集まる場所に降りたつ…

研究所潜入作戦

グリゴリ実験体の脳内に埋め込まれたナノマシンチップを利用してW.I.S.E.を止めるため、陸上自衛隊が厳重に警備網を敷く研究所へ潜入を試みる八雲祭と夜科アゲハ、バックアップの雨宮桜子。 通常戦力を一蹴していく二人だが、そこには思わぬ妨害が入る。そし…

覆面の下の素顔

次なる対決は、旧破壊臣阿久根高貴と名瀬&古賀コンビ。黒神真黒の変態性が発揮される中、暴かれる名瀬の覆面の下から現れる素顔とは。 中学時代の話を織り交ぜながら、現在へのつながりが語られる。 bk1 amazon 暁月あきら作品の書評

役割分担によるバランス

滝丸やマッチと美食會支部長の対決が決着。トリコと副料理長の対決は佳境へ。 一方、グルメショーウィンドーにたどり着いた小松が見た衝撃の光景とは? バトルシーンはトリコ側で、ギャグシーンは小松側でという役割分担になっている。 bk1 amazon 島袋光年…

緩急を織り交ぜたストーリー

15年前、太平洋上に出現したゲートにより、地球とレト・セマーニと呼ばれる異世界は結ばれた。レト・セマーニの文明は地球よりも数世紀遅れたものであり、その制圧は容易と思われたが、彼らは地球にはない術による魔法効果で兵器を強化し、若い文明らしい生…

現代風の怪人物

怪人二重面相が活躍していそうな世界観。 ほとんど無能な呪い師である病葉久郎は、オカルトによる帝都防衛を担う鬼灯機関の司令である桜下屍人の下僕としてこき使われていた。彼の狙いは、久郎の妹であり病葉呪術最高の使い手である夕日をして事件解決に充た…

ふわゆる手芸部の日常

タイトルとイラストから想像されるとおりの作品だと思う。いわゆる日常系のふわゆるの物語で、その舞台が女子高の手芸部になっている。ストーリー性よりもキャラクター性を楽しむ感じのもの。 個人的には、実は主人公となっている少女のストーリーをもう少し…