2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

技術の話から政治の話へ

オンリーワンの技術を持った会社の御曹司であり、才能ある技術者でもある祐機は、十二歳の時に会社乗っ取りという憂き目に会う。買収を仕掛けたのは、世界生産に関する一般協定事務局(GAWP)。彼らは世界の生産性を向上させるための国際機関であり、親会社…

現在と未来に橋を架ける

タイトルの通り、手に職を持った女性たちが宇宙関連ビジネスで活躍する物語なのですが、ベースになっている世界観がとても興味深く感じられます。 SFで描かれる世界の多くでは、月や外惑星に基地があったり、他の恒星系の惑星がテラ・フォーミングされていた…

池袋のばけもの作家は今日も遊ぶ(締め切りって何?)

杉井光さんが、今度は自分と周辺のライトノベル作家をネタにした作品を出版しました。実際にあった出来事を元にしつつも、実はライトノベル作家の多くは人間ではなく化け物だった、という設定にすることで、メタ・(ノン)フィクションに仕上げてしまった。 …

新約聖書をモチーフにした、現代の美少女同居もの

「神様のメモ帳」「さよならピアノソナタ」の延長線上に登場した、杉井光さんの新作。何が続いているかといえば、それは主人公の性格だろう。まわりには巨乳・微乳とりまぜてかわいい女の子がいて、その子たちは主人公にラブなのに、本人だけがいまいちピン…

図書の未来を守るため悩む若者たち(評価:☆☆☆☆☆)

前巻(図書館戦争)よりはバトルシーンが減っているけれど、物語的にはパワーアップ。前巻で伏線が引かれた郁と両親との確執、堂上への秘めたる恋心。それに加えて今回は、小牧や手塚、柴崎などの脇を固める面々にも、バッチリとスポットライトが当たる。 架…

戦わなければ本も読めない時代(評価:☆☆☆☆☆)

有川浩さんの作品の特徴である、戦闘職種の人たちの生き様と、彼らの間に芽生えるほんわかした感情を取り扱っています。しかし、これまでと少し異なるのは、架空の戦闘職種ということ。なんと、図書館の司書さんがドンパチをします。おっとり静かなイメージ…