2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

彼らの人生はまだまだ続く

篤志の問題はとりあえず解決したけれど、サイドストーリーまでは手が回らなかったという感じ。貞教の方も解決には程遠いようだし。 せっかく登場させたのだから、もう少しいろいろな人間関係を整理する余裕があればもっと良かったとは思う。 また、敵方の扱…

様々な悩みと決断

神崎栞は実家に頼らず守屋篤志を守る実力を得るために家を出た。菱緒や大牟田、海洋研のメンバーなどは自分の仕事をしながらも最大限に篤志のバックアップをしてくれる。 しかし、世界を代表する力はそれらの力を粉砕する規模で包囲網を狭め始める。そして、…

人々を翻弄する潮流

乗船の爆破により海を漂流することになった守屋篤志と五乃坂雄平を救助すべく動こうとする大牟田たちだったが、何ものかの妨害により、当局による救助活動は打ち切りとなってしまう。加えて、救助に必要な情報端末は全滅させられ、船の手配もつかない。 篤志…

海洋のレイスハンターとの出会い

大牟田の事務所のインターンとしてマレー半島へとやって来た篤志、栞、貞教の3名は、無事に陸上での採集を終え、三者三様の行動を取る。篤志は大牟田について海洋での採集へ、栞は医師団のボランティアへ、そして貞教は父親の影を追う。 同じ頃、付近の海上…

奇跡の均衡を崩すもの

試験を受けるために特例として東北の大学に出向くことを許可された篤志と栞は、貞教と共に神と呼ばれる巨大変異種の棲む山に挑む。 彼らの緊張感とは裏腹に、試験場に隣接したスキー場では、篤志の幼なじみの美幸や、同じ研究室の先輩菱緒とその天敵館森清香…

対等な関係と役割分担

武原郷事件の影響により大学で実戦訓練が行えなくなった守屋篤志は、害獣駆除のボランティアに参加して実戦勘を鈍らせないようにしようとする。その噂を聞いた神崎栞も一緒にボランティアに参加することになる。 彼ら二人も含めて6人で構成されるチームメン…

踏み込み方とタイミングのずれ

前半は暦と月火のトークが占める。八九寺や神原がいないので暦の受け皿になれるのが彼女くらいだったのだろう。そして中盤からようやく本題に入る。 本題は、羽川翼と阿良々木暦のゴールデンウィークの物語。忍はなぜミスド好きになったのかとか、羽川宅の驚…

日常生活とようやく始まる勝負

友人もできてこちらの生活にも少しずつ慣れ始めたミュウは、暁月に感謝の念を抱きながらも、彼が抱える秘密にもどかしい想いを感じていた。その暁月の前には、自称おちこぼれAクラスの海堂が現れ、彼をとある場所に導く。 同じ頃、暁月が救った世界であるア…

一般人のお友達作り

レティシアとヴァンツァーのそれぞれを主役としたお話。リィたちはほとんど登場しない。ただし、物語を成立させる上で、ルウは非常に重要な役割を果たしている。 レティシアのお話は、「ファロットの美意識」の続編的な物語で、当時レティシアに見逃されたニ…

3人の擬似家族と1人の血族

リニエッジ機関の仕掛けを切り抜けて、あすみも含めた3人の団欒が定着してきた耕介と咲耶の生活。だが、沖島教授から時詠みの追難の計画が継続していることを告げられる。 同じ頃、咲耶と夢の中で会っている磐長媛も、咲耶が時詠みの追難を実行することを願…

押し寄せる難題

ヤエトがようやく床払いをしてジェイサルドの監視から逃れられたとホッとしたのも束の間、皇妹から黒狼公としてのヤエトに復縁の提案がなされる。受けるも断るも彼の自由という皇妹の言葉に、余計に悩みが深くなる。 その件も片付かないうちに、再び夏入りの…

ありもしない希望にすがりたい気持ち

無聊を託つ繭墨あざかと小田切勤の下に、他の異能力者から仕事の依頼が舞い込んでくる。自分たちの手には負えないと泣きついて来たのは、日傘と名乗る青年と、雁屋灯という影使いの少女。 彼らの導くまま赴いた先には、白い肉の化物と、無くしたものを何とし…

宗介に振り回されるかなめ

「南から来た男」:宗介が靴箱のラブレターを脅迫状と勘違いして… 「愛憎のプロパガンダ」:学校のトイレにかなめを中傷する落書きが… 「鋼鉄のサマー・イリュージョン」:海辺でかなめをナンパしたのは病弱な坊ちゃんで… 「恋人はスペシャリスト」:宗介に…

いつまでも古めかしくならない構図

初版は10年以上前だが、どうして戦う少年と少女という構図は古めかしくならないのだろう? 軍事組織ミスリルに属する軍曹・相良宗介は、普通の高校に転校し、秘密裏に千鳥かなめという少女を護衛する命令を受ける。ソ連が秘密裏に行っている人体実験と関連…

いつまでも古めかしくならない構図

初版は10年以上前だが、どうして戦う少年と少女という構図は古めかしくならないのだろう? 軍事組織ミスリルに属する軍曹・相良宗介は、普通の高校に転校し、秘密裏に千鳥かなめという少女を護衛する命令を受ける。ソ連が秘密裏に行っている人体実験と関連…

主人公が脇役

てっきりもう続きは出版されないものと思っていたけれど、忘れた頃に続巻はやってきた。でも奥付を見ると、連載されていたのは平成12〜13年なので、新作というわけではないらしい。 倶梨伽羅の襲撃に備える幻想界の話と、黒崎家にかけられた呪いの話が並…

ようやく戻ってきたけれど

ようやくケヴィン・ヤマガタの生きる時代に戻って来て、リー・ハーヴェイ・オズワルドの物語が始まる。 歴史上、コウモリに人生を左右されてきた人物たちのように、ケヴィンもつぶされるのか。あるいはコウモリの予言の力を超えていくのか。 物語は動き出し…

認識の相違をキーワードにしてSF展開に進む

自分以外の生き物が全てロボットに見える、ロボットと人間の区別がつかないという少女、毬井紫と友人になった少女、波濤学は、ゆかりの友人でありながら彼女に憎悪を抱いている少女、天条七美と反発したり近づいたりしながら、普通の学校生活を送っていた。 …

しぐさから感じる過去の影

営業部の夏目瑛太は、派遣社員として入社した舞原七虹に興味を引かれる。飛びぬけた美貌とスタイル。だが人とは関わらない。名前で呼ばれることを嫌がる。並んで歩く時は必ず車道側を歩く。時折、夕焼け空を見て寂しそうな表情を浮かべる。 そういった彼女の…

もう一人の女子選手

前巻は、本田綾音が真っ向勝負で挑むというところにゲームの真骨頂があった。しかし今回は、名門校・一流選手に対して、公立校・普通の選手がどの様に対抗するかというところに焦点が当てられている。だから、チームとしては県大会でベスト4となって春の甲…

未来への期待

ミネバを伴い地球へと降り立ったリディ・マーセナスは、父からラプラスの箱の真相を告げられる。 一方ガンダムに乗せられたパナージは、百年前の悲劇の中心地へと降り立っていた。 この作品では多くの親子(的な)関係が多く登場する。パナージとカーディアス…

そんな彼にもうメロメロ

入口は実家のためにだったり、処分を回避するためだったり、仕方なく務めることになる舞台だけれど、準備をしていくうちに、誰かのために舞台を成功させたいという積極的な理由に変わっていく出雲。そんな彼の姿勢に、関係する人たちはもうメロメロになる。 …

医師の資質を問い直す

西条命の思い描く無限の樹形図に組み込まれるであろう、最上義明が医師への道の第一歩を踏み出そうとする。一応高校生ではあるのだが、学校崩壊気味の高校でもあり、本人もほとんど通っていないので、マイナスからのスタートではあるのは確か。 しかし、医師…

日常にあこがれる少女たち

メンバーは男子が1人に女子が2人。ゲーム同好会の日常を描くと見せかけて、登場人物は全員が異能持ちで、女子メンバーは武器を振り回して必殺技名を叫ぶという非日常っぷり。でも、悪の大魔王も秘密結社も登場はしない。そこにあるのは、非日常の能力を持…

みんな自然に楽しめるようになってきた

なぜ目次にわざわざ書いてあるのかなと思ったら、そういうことか!という第4巻。 10年前の友人関係を小鷹に思い出してもらい小さな秘密を抱えて微笑む夜空と、自宅に小鷹を呼んでお父さんに顔合わせまでした星奈。小鷹の妹というポジションを競い合う小鳩と…

現実的な平衡点は果たして存在するか

近年の出来事を抽象化して道徳と正義の要素を抜き出し、その問題に対してあるべき政治的対応の姿を、ジェレミー・ベンサム、ジョン・スチュアート・ミル、イマヌエル・カント、ジョン・ロールズ、アリストテレスといった過去の哲学者の主張を引き合いに出し…

現実の厳しさを語る物語

声優になるために専門学校に通い劇団に所属しようとする少女沙奈歌と、ハッカーを名乗り他人とのかかわりを持ちたがらない少年広野。普通なら交わらなそうな二人の人生が、同人誌即売会のあるブースで接触する。 一見するときちんと夢に向かって生きている少…

あぶりだされる事件

友人の弥生ヒナノがある日突然消えた。中島真は自分たちの通う学校で伝説と化している四ツ谷先輩の協力を得ようとする。四ツ谷文太郎は最恐の怪談を紡ぐため、学校に留年し続けている先輩だ。 四ツ谷先輩の指令に従って、学校中に怪談の種を蒔いていく真の目…

描写が設定に深みを持たせる

24年前に突然発生しTDHと名付けられたレトロウィルスは、致死率こそエボラ出血熱等に比べれば低いものの、後天的に遺伝子を変異させるという特徴を持っていた。つまり、人間の形質を他種に変化させるのだ。 変化のサイクルが非常に短く、多様性に富んだT…

日本史における東アジアの影響

頼山陽「日本外史」を近代以降の歴史認識の典型例として、そこに至るまでに天皇が日本の歴史にどのような影響を与えてきたのかという問いを設定し、その回答を形成するであろう歴史の断片をつづっている。 古事記、日本書紀にある神話の時代から室町時代後期…