最後まで手を伸ばす

 宇宙にまで物語が及んだこともあったけれど、最後に戻ってくるのは身近なところ。星弓軋人と柚島香奈子のお話です。柚島にまつわるある秘密のせいで、最強メンバー達を欠いた星弓家の人々が次々と災難に見舞われ、香奈子は遠くへ去っていこうとします。
 そこで軋人に訪れる最後のチャンス。また昔と同じ様に、自分の側から大切な人がいなくなるのを黙ってみているしかないのか?あるいは違う結果を導くことができるのか?

 スマートではないけれど、無駄に思える足掻きを繰り返してでも、二度と後悔しないように最後まで手を伸ばす軋人の姿は格好よいものだと思う。

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橋本和也作品の書評