近江神宮に連れてって

 瑞沢高校かるた部のメンバーたちが高校選手権の都予選に挑む。去年は二年生たちが受けた洗礼を一年生たちが受ける中、チーム自体は順調に勝ち進んでいくのだが、思わぬ強敵が千早たちの前に立ちふさがる。

 後半の主役は太一。努力に裏打ちされた実力は折り紙つきながら、決定的に運がないと言われる彼の戦いが描かれる。
 孤独に自分と戦っていると思い込んでいるところに投げつけられるタオルは、彼を見ている仲間がいると言う証。その気持ちによって解き放たれた彼の新たな姿がここにある。

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末次由紀作品の書評