機械式時計と仕立て服

 今度は紳士服とセットになる機械式時計をテーマに据えた一連の物語になっている。
 スイスの独立時計師にほれ込んでしまった、パトロンのお嬢さん。その仲を取り持つため、ジラソーレのコンスタンツェは、時計師の商才と実力を試すため、紳士服と機械式時計のコーディネイトで評価してもらえるように交渉する。ところが、そのテーマにフランスのブランド・リヴァルが食いついてきて、ブランド全体とスイス・ジュウ渓谷を巻き込んだ大騒動になってしまうのだ。
 クォーツ式時計に時代を明け渡し、そもそも携帯電話に役割をとられつつある時代背景の中、機械式時計は存在感を放つことが出来るか。自動巻き、クロノグラフムーンフェイズという、それぞれに絞ったテーマの中で、仕立て服が作られます。完結は次巻。

   bk1

   
   amazon

   

大河原遁作品の書評