大きな力は一気に何かを救えるかも知れないけれど、その反動もまた大きい。

 少し、科学者たちの視点からの世界が見えてきました。基本的に自分の好奇心を満たすことを行動原理とする科学者であっても、同じ世界に生きる人間である限り、世界に対して全く無関心ではいられない姿。魔法士とは違って物理的に大きな力が揮えるわけでも何でもないけれど、自らの力の及ぶ範囲で何かしようとする。
 相互扶助の様な精神は、社会性動物たる人間の遺伝子かどこかに刷り込まれていて、普段は隠れていても、ピンチになると表出してくるのかも知れません。

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三枝零一作品の書評