書き方の方針転換

 映画化もされた「神様のパズル」の続編。前回は宇宙を作る話だったけれど、今回は内宇宙(=心)を改造する話。「メシアの処方箋」「僕たちの週末」も含め、技術サイドの話に終始して登場人物自身がほったらかしにされる傾向があるように感じていたが、今回は主な登場人物が綿貫と沙羅華の二人であり題材が内面の問題なので、そのあたりは比較的改善されているとは思う。途中、沙羅華が彼女のパーソナリティから考えてかなり支離滅裂な行動を取るけれど、それはきちんと理由のあることだったし。
 題材的なドキドキ感は、他の作品よりは劣るかもしれない。発想に突飛なところは感じないし、やっていることは麻薬中毒者と似たり寄ったりな気がする。でも、続編が出版されそうな設定が追加されたので、続編ではもっと良くなっていることを期待したい。

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