少年がのぞく少女の世界

 三村朔太郎は中学校卒業式の日、教室で幼なじみの小町梅に心無い言葉をぶつけてしまう。後悔冷めやらぬ高校入学式の朝、奇妙な路地で少女とぶつかった三村は、体が入れ替わっていて、その少女ミムラ・S・オールドマンとして、時間を操る魔法を学ぶ学校に入学することになる。状況の認識も追いつかぬまま、ミムラと同率首席のお嬢様オリンピアと、監督生の座を争うことになり…というお話。
 男子学生もいる学校なんだけれど、登場するのは女子学生ばかりで、まるで女子高に迷い込んだような雰囲気。(迷い込んだことはないけれど)未知の世界で冒険に挑む少女(少年?)を描いたジュブナイル小説という感じで、暗い雰囲気はほとんどない。
 普通の世界と魔法の世界、それぞれがどのように関わってくるのか、本物のミムラはどうなっているのかなど、純粋にワクワクしながら楽しめる作品だと思う。

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壁井ユカコ作品の書評