魔術の見えない世界

 電撃文庫とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品であり、同作に登場する学園都市<超能力者>第三位の御坂美琴の視点で、学園都市の科学サイドでの出来事を描いたもの。だから、上条当麻は登場するけれど、インデックスは出てこない。
 本巻では、御坂美琴上条当麻の出会いのあたりから始まって、能力を使った連続爆破などの事件と、その背後にある『幻想御手(レベルアッパー)』と呼ばれる能力を上昇させる存在がほのめかされている。
 構成的に言うと、最強の能力者の一人である御坂美琴が無能力者である上条当麻にあっさりとあしらわれムキになって突っかかり続けるパートと、ジャッジメント白井黒子初春飾利や、その友人の佐天涙子との交流に関するパートに分かれている。特に後者は、本編では描けない、能力者の葛藤や悩みなどに着目しており、本編の世界観を補完する役割を担っている様に思える。

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冬川基作品の書評