仲間が一人増えた、敵が現れた

 水中運動会での対抗戦、そして風紀委員会の登場で、完全にバトル路線が確定したようだ。

 当初、黒神めだかが生徒会執行部の全役職を担っていたことが象徴しているように、今の状態では、他の役員がいてもいなくても同じになってしまっている。実際、最終的にはめだかが対処するので、他の役員には活躍の舞台がなく、見た目の特徴は付加できても、キャラ自体の魅力が向上するチャンスがない。
 マンガでは1ページの情報量が多いため、一人の突出したキャラクターだけでは、画面をもたせられない気がする。脇を固めるキャラがいて、主人公を際立たせる敵がいるから、それらを絵で一度に表現できるマンガに価値があるのではないか。しかし今はその特質が生かしきれていない気がする。
 おそらく、この作品を小説にするならば、刀語に似た作品として成立するとは思うのだが…。

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西尾維新作品の書評