物語の再開

 週刊誌で最近見かけないなと思っていたら、月刊誌で再開していたらしい。雑誌が変わった影響もあるのか、物語は急展開する。
 ノアの一族の全容が明らかになり、アレン・ウォーカーエクソシストとしての異質性も表面化し始める。

 エクソシストが人格的にどうであれ重用されるのは、彼らにとりついたイノセンスでしか、アクマに対抗することができないからだろう。千年伯爵側の戦力の大きさを考えれば、彼らの何か意図を持った行動に基づく手加減と、たまたま手元に手に入った戦力であるイノセンスの力によって、何とかギリギリの均衡が保たれている印象を受ける。
 黒の教団のサポート要員の立場に立てば、どれだけ努力しても、工夫を積み重ねても、イノセンスなくしてはゴミの様に薙ぎ払われるだけだし、黒の教団の指導者の立場に立てば、自分たちがコントロールでき、計画的に安定的に供給できる戦力の増強は急務となるだろう。そう考えれば、たとえ自分を犠牲にしてでも何とかしようと考える人物の出現は予想できるし、非人道的な人体実験でも継続しようと考える立場も理解できる。
 ただここで明らかなのが、黒の教団の技術レベルよりも、千年伯爵側の技術レベルが、圧倒的に上だということだろう。なにせ、黒の教団側の犯行手段は千年伯爵の模倣に過ぎない。

 しかしこれだけの戦力差がありながら黒の教団が形を保てているのは、やはり千年伯爵が手を抜いているからとしか思えないな。

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星野桂作品の書評