巫女の孤独

 護士候補生として天結宮に再入宮したシェルティスだが、彼がいない三年の間に護士の昇格制度も大きく変わっていた。突出した技量を持つ戦士の育成ではなく、集団戦力としての増強を重視する。ゆえに護士候補生は三人以上で部隊を作り、その評価により昇格するシステムとなっていた。
 訓練冒頭から圧倒的な実力を見せつけながらも、他とは異なる黒の衣装を身にまとい、異質な雰囲気を振りまくシェルティスは、容易に部隊を組むことが出来ない。しかし、ある早朝に、巫女としての術を使う、同じように孤立した護士候補生モニカと出会うことで、コンビを組むことになる。
 レオンの強引な招集で、極秘の任務に借り出されるシェルティスとモニカ。そこで見つけるのは、天結宮と緩い対立をしている統制庁が隠す秘密。そこでの戦いを通じて、シェルティスは巫女と千年獅の本当の姿を学んでいく。

 千年獅に匹敵する戦力を備えるシェルティスが一番下っ端からやり直すということで、実力的な違いをシステムで補うようにしているみたい。合わせて、ひょいひょい出歩けないユミィの代わりに、巫女の修行をしたモニカを身近に配することで、彼が知りえなかった巫女としてのユミィの姿を教えている。
 もはや関係なくなってしまうかと思ったエリエとユトも、今後も色々とストーリーに絡んで来るみたいです。

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細音啓作品の書評