これまでの出来事が残したもの

 桐乃の渡米で生じた空白。届かない連絡。その隙間を見なかったことにするように、互いの関係性をひとつひとつ確かめていく。
 京介の後輩となった黒猫は、周囲に対していつもの態度で臨むため、クラスの中でも浮き気味のご様子。それを見かねた京介は、桐乃の時のように、趣味を介して学校の中に友人を見つけてあげようとする。その結果は…。
 そして、ずっと連絡がなかった桐乃から、京介に一本のメールが届く。その内容は驚くべきもので…。

 目の前からいなくなったことで、その人の価値を再認識する。彼女との関係の中で少しずつ変化してきた結果が、現状を打開するための一歩を踏み出す原動力となっている。
 エピソード一つ一つは笑えるけれど、全体としては感動させる方向のお話になっていると思う。

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伏見つかさ作品の書評