回想録の様な、序章の様な

 夏目智春と水無神操緒がみんなの前から姿を消したあと、智春の義妹の苑宮和葉が洛芦和高校に入学してくるところから話は始まる。智春たちの現在の状況と同時に、和葉が学校で智春を知る人々と出会う短編と、彼らと智春たちとの思い出が語られる短編が、ミルフィーユみたいに交互に重なりあっている。
 前巻のラストでは、まだまだ続くかも、と思ったけれど、これを読んでいくと、ああやっぱり終わるんだなあ、とだんだん思えてくる。

 そんな風にしんみりと思い出に浸る気分でいたら、すごい昔のあったかもよく覚えていない様な伏線が回収されたりして、また新たな物語が始まりそうな展開になってくる。いずれこの先の物語が語られることはあるのだろうか。

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三雲岳斗作品の書評