光の大きさが重要なわけじゃない

 活動領域が主に地球外のために、これまでほとんど活躍の様子が描かれることのなかった星弓七美が今回の主役。
 "超越"と称し、圧倒的な力と自分を殺してまでの立ち回りで、地球を護ってきた彼女だが、惑星探査先で拾った少女を保護するため、これまでの自分に課してきた線を少し飛び出してしまう。その結果、地球に侵略のピンチが訪れるのだが…星弓姉弟の選択は?

 星弓家の中では我儘ヤンチャぶりが目立つ七美だが、地球の外では地球を護るために我儘を封印して上手に立ち回るという賢明さも併せ持つ。幼い頃から圧倒的な力を持ち、弱いものを傷つけるかもしれないという恐れの中で生活してきた彼女は、"弱いものに触れない"という選択をすることで、自分と誰かを護ってきた。
 そんな彼女が初めて触れた護るべき存在なのに、それを護ることが地球に害をなすという状況を作られてしまい、自らに課した使命とのせめぎあいで苦しむ七美。そんな彼女に対し、家族である彩美と軋人は、地球と身内、どちらを優先する答えを出すのか?
 まさにこのシリーズにふさわしいお話だったと思います。

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