得体の知れないものを巡り踊る面々

 ユニコーンガンダムは地球連邦のネェル・アーガマに鹵獲され、気を失ったバナージ・リンクスは、父母との思い出を夢で見ていた。カーディアス・ビストが世を去る前に明らかにされた二人の関係、ユニコーンがバナージに託された理由。目を覚ましたバナージは、オードリーたちと無事再会を果たすのだが、突然の戦乱で友人達を目の前で失ったミコットとタクヤとバナージの間には、微妙な温度差が生まれてくる。
 そしてネオ・ジオンも目の前にぶら下げられた『ラプラスの箱』に至る鍵をあきらめることはできない。援護もなく潜伏を続けるネェル・アーガマには、フル・フロンタル率いる部隊が接近していた。

 明らかにされるオードリーの素性、追い詰められた状況でむき出しにされる連邦軍アナハイム・エレクトロニクスの本音が、オードリーを頑なにし、バナージに戦場へと向かう選択をさせる。

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福井晴敏作品の書評