角川書店

人間としてのネオ・ジオン

ネオ・ジオンに捕らえられたバナージは、マリーダたちのホームに預けられ、そこで彼らや彼らの家族の生活の現状を知る。その経験はネオ・ジオンを単なる虐殺者ではなく、闇に覆われた宇宙で光を求めて生きる人間としての姿を浮き彫りにさせる。 一方、ネェル…

大層凝っている

小さな国の小さな街に生きる美しいが不道徳な人の一族を5代くらい追った物語になっている。ページ数を見れば分かるように分量は少ないが、紙質や挿画や装丁などには大層凝っている。 背徳的でいて何となく美しい物語だな、とは思うが、内容についての論評は…

得体の知れないものを巡り踊る面々

ユニコーン・ガンダムは地球連邦のネェル・アーガマに鹵獲され、気を失ったバナージ・リンクスは、父母との思い出を夢で見ていた。カーディアス・ビストが世を去る前に明らかにされた二人の関係、ユニコーンがバナージに託された理由。目を覚ましたバナージ…

自立前の悩ましい時期

ADからUCへ。約一世紀前に成立した地球連邦政府の首相官邸、軌道上に浮かぶ「ラプラス」において催された人類史に残る改暦セレモニーは、テロにより粉砕される。改暦セレモニーの華やかさとは裏腹に、人口増加問題の解決手段として計画されたコロニーへ…

解く段取りがむしろ冥利

本書で使われている「明察」という言葉は、算術の解答が正しかった場合につけられるので、「大変よくできました」的な意味合いがあるのだろうし、本来の意味的には「事実を見抜いた」となるのだろうが、ボクはこれに、証明終了を意味する「Q.E.D.」という言…