シェルティスを縛る二律背反

 正護士になるためには候補生3人以上で部隊を組んで任務をこなすことが必要だが、候補生たちから敬遠されるシェルティスには、個人的な実力はあっても仲間を募ることが出来ない。前回の事件で仲間となったモニカと部隊を作ることになり、必要なメンバーはあと一人という時に、モニカやエリエのつてをだとって出会ったのが、華宮というネルの民の少女だ。
 警戒心の強いネルの民である華宮に信頼してもらうには、シェルティスの抱える秘密を話さなければならない。しかし話してしまうと、天結宮から追放されてしまうかもしれない。ユミィを護るには正護士にならないといけないが、そのために必要な仲間に秘密を話すと追放されるという二律背反を抱えて迷うシェルティスだが、そんなときにユミィの演説を聞いて少し迷いが晴れるのだった。

 前回の研究所で見つけた幽幻種を閉じ込める水槽が、今回の事件でも関わってくる。そしてその事件の影に見え隠れする統政庁の影が、浮遊大陸の秘密を握っている感じ。
 相変わらず今回も、実力にまかせたシェルティスの独断専行が目立ちます。

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細音啓作品の書評