箸休めも食べ物だから、実は箸は休んでいないのだ

 箸休めということで少し目先を変えて、半額弁当争奪戦から離れた、登場人物たちのサイドストーリーになっている。箸我あやめの高校の文化祭に訪れた槍水仙が白梅梅に辱められる裏で、佐藤洋が井ノ上あせびの手料理で究極の選択を迫られる話から始まって、箸我を主人公とするファンタジー風のお話(佐藤は犬!)など、いかにも短編集といった感じになっている。繰り返されるオチがなんとも古風。
 他にも白粉花を主役とするアレ系の短編も収録されているのだが、はっきり分かったのは、箸我は佐藤とセットになっていないとイマイチ輝かないし、ヘンタイとマニアが登場しないとこの作品の魅力が半減してしまうことだ。半額弁当を争う熱い戦いもいいけれど、たまにはこういう日常があってもいい。

   bk1

   
   amazon

   

アサウラ作品の書評