未来視も鎖となるのか

 黒狼公の領地の隣国を所領に持つ第二皇子から盗賊捕縛協力の要請がある。それに協力する過程で、ヤエトは彼の恩寵である過去視の対となる未来視の恩寵の持ち主と出会う。そして、預言を与えた人々を取り込んでいくさまに、そして未来視を絶対視し自らの努力を放棄する人々に、軽いいらだちを覚えるのだった。
 後半でルーギンが恰好良く活躍するのだけれど、その見せ場を作るために、ジェイサルドは損な役回りを演じることになってしまった気がしなくもない。
 数多の恩寵と、遥かなる過去から現在まで続く古の契約の影響が明らかになり始める。ヤエトの心構えも少し変ったけれど、皇女の成長も著しい。

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妹尾ゆふ子作品の書評