幻狼ファンタジアノベルス

未来視も鎖となるのか

黒狼公の領地の隣国を所領に持つ第二皇子から盗賊捕縛協力の要請がある。それに協力する過程で、ヤエトは彼の恩寵である過去視の対となる未来視の恩寵の持ち主と出会う。そして、預言を与えた人々を取り込んでいくさまに、そして未来視を絶対視し自らの努力…

新たな舞台へ

北嶺郡を北方民族から護り、隠居願望を満たせるかと思ったヤエトだが、事態は彼の願望に反し、北嶺は郡から国へと格上げ、皇女は北嶺王となり、その相に任じられたヤエトも、貴族になることとなった。叙爵のため赴いた帝都の新年の祭で、皇帝はヤエトに思わ…

枷から解き放たれる

表紙が上巻と似た構図なのだけれど、鎖の部分の違いが下巻の内容を象徴的に表している気がする。ただ、性格的には皇女の方がこの構図に似合うけれど、そこまで誘導したのはヤエトだった気がしなくもない。もっとも、彼の性格的には、鎖をちぎるというような…

見かけの派手さではなく、精緻な細工が魅力

帝国の官吏であり、数百年前に帝国に併呑された王国の末裔でもあるヤエトは、帝国の辺境、北嶺郡の尚書官に左遷される。彼以外の官吏は全て現地採用であり、控えめに言っても官吏ごっこをしている程度の能力しかないが、代わりにのんびり過ごせるとヤエトは…