根底にあるやさしさ

 ツクモの無口な気遣いに彼女の心情を誤解し、新太がいれば自分は要らないと思い込んだクルンが、満月堂を飛び出し、自分の世界に帰ってしまう。放っておけというツクモに対し、新太は何とか翻意させ迎えに行かせようとする。
 満月堂のある商店街の人々、新太の姉、これまでに出会った人も、初めてであった人も、クルンを取り戻すために彼らが気遣ってくれることは、これまで全て一人で何とかしようとしていたツクモの考え方を一変させてくれる。
 今回も登場する人たちは、いつもの様に残念な人たちなのだけれど、その根底にはやさしさがある気がする。

 軽重でいえば軽い作品。あと、3月のライオンは確かに面白い。

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瀬那和章作品の書評