遺したいという想い

 自殺に見せかけて殺された理論物理学者と容疑者として疑われる若手研究者を描く「黒金亭殺人事件」、大富豪の後継者選定を任された燈馬と後継候補四兄妹の行動を語る「Q&A」を収録。

 前者はアカハラ的な話題をベースにしているのだが、類似したような話は多分ある気がする。素粒子分野だと論文の名前はアルファベット順になっていることが多いと思うけれど。
 後者は構成に凝った作品。一編の詩の論理構造に沿って物語全体が構成されていて、そこを楽しむ感じ。
 どちらにも共通するのは、自分の後に何かを遺したいという想いだろうか。

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加藤元浩作品の書評