踏み込み方とタイミングのずれ

 前半は暦と月火のトークが占める。八九寺や神原がいないので暦の受け皿になれるのが彼女くらいだったのだろう。そして中盤からようやく本題に入る。
 本題は、羽川翼阿良々木暦ゴールデンウィークの物語。忍はなぜミスド好きになったのかとか、羽川宅の驚愕すべき事実とか、暦の羽川に対する感情とか、色々なものが噴出していて、前半の軽いトークに比して後半は意外に重たい。

 ゴールデンウィークの入口で偶然であったことが、二人の距離感というか、踏み込む間合いを勘違いさせてしまったのが辛い。結局その後、暦は戦場ヶ原に出会うわけだけれど、ここで一度これを経験していなければ、羽川と同じ様な関係になったかも知れないと思った。
 ああ、羽川さんは、将来どんな人になるんだろう?

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西尾維新作品の書評