一定の成果と未だ見出せぬ解決の糸口

 一気に成長し、自分の足で歩けるようになったタロウザ。草食・肉食の区別なく、四足歩行動物の言葉が分かる彼は、命乞いをする動物をみんな助けようと奮闘する。そして、それをサポートする頼もしき動物の仲間たち。
 そんなタロウザの縄張りにピンチが訪れる。それを運んできたのは、タロウザ以外に始めて登場する人間の子ども、カプリ姫。彼女はライオンの群れを率いていた!

 動物同士で協力させて食物連鎖を歪める代わりに、草食動物たちを自滅させないためにタロウザが編み出した方法には呆然とした。あそこまで行くと、ほとんど文明が出来ているといっても良い気がする。でも、ゾウのブラブラが出した命題には、答えの糸口すらも見つかっていない模様。
 そんな試行錯誤の状態で起きる衝突。必然の状況と偶然の出会いの中、タロウザは何を思うのか。

 タロウザが登場する前のエピソード0も併せて収録。どうしてクロカギがあのような生き方を選んだかが分かる。

 野生動物には詳しくないけれど、純粋に遊びのために狩りをする動物って、どのくらいいるのかな?エネルギーの無駄使いの気がして仕方ないのだけれど。そういう意味で、今回登場する肉食動物たちは、非常に人間らしい。

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雷句誠作品の書評