思い出が導く未来への道

 アルフォンスの実家のレイラート家の差し金で、ソラの防具店シャイニーテラスに営業停止命令が下される。アルフォンスをレイラート家へと戻すためだ。その情報をシャインの父にしてスカイシールドを取り仕切るラヴィアンから聞いたアルフォンスは、激怒して実家に殴り込みをかけようとする。
 ソラとラヴィアンからの諌めを受け入れ、再び父親との関係を壊すのではなく、発展的に解決する方法を模索するため、兄に相談に行くことにする。実は兄ももう一人の人物を通じてではあるが、シャイニーテラスに縁があるのだ。
 そして、父親に営業停止命令を撤回させるため、ひとつの賭けをすることになる。成功すれば今まで通りの生活を、失敗すれば貴族社会に戻る。そんな約束をして、アルフォンスは旅立つ。そしてその過程で、父親との確執の原因である母にまつわる物語を知るのだった。

 シャイニーテラスの物語は完結。アルフォンスと母の関係、ソラとシャインの関係は、月霊草という珍しい花と、遮光石という珍しい素材を通じてつながっていく。そうして結び付けられる人と人のつながりは、本当に貴重であり、そして人を臆病にもする。
 いってらっしゃいから始まる物語は、また新たな旅の幕開けを告げることで終わりとなった。

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菱田愛日作品の書評