神さまが演出するライトノベルな恋

 大学生の青葉浩介の部屋に突然現れたのは、小中学生くらいの女の子、栞だ。その子は自分がライトノベルの神さまだと偉そうにのたまい、浩介に契約を迫る。大学付属の女子高校生とライトノベルな恋をして、その幸せを伝播させることで、神さまの格を上げるというのだ。
 今のところ最下層の神さまなので、浩介にちょっとした能力を授けたら自分の力を失ってしまい、栞は浩介の部屋に居候することになる。そんな栞を留守番において出かけたバイト先の書店で、浩介は幼なじみの篠島佳枝と再会する。なんと、大学の付属高校に入学したというのだ。
 佳枝から見ると慕っていたお兄ちゃんとの再会に、いきなりライトノベルな恋が実現するかと思いきや、盛り上がりを要求する栞は、あえてその流れを途切れさせる。書店の店長の御山春香を巻き込んで、彼らの物語はどこへ向かうのか?

 ライトノベルの神さまが演出するので、どれだけお約束な展開でも、どれだけあざとい演出でも問題ないというお墨付きがあるので、テンプレートなイベントがたくさん盛り込まれている。ジャンル的にはパロディっぽいラブコメという感じだろう。あとはこういう手法を読者が許容できるかで、気に入るかどうかが決まる気がする。個人的には、むしろ神さまという設定がない方が、純愛っぽいラブコメとして受け入れやすかった。
 本文中の設定とイラストの、身体的特徴の不整合が気になった。

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佐々之青々作品の書評