自分の気持ちを上手く表現することができない

 穂積真尋は一人暮らしをしている高校生。顔は良いのだが人見知りが激しく、周囲の人間に誤解されていて友達がいない。彼がまともに話が出来るのは、隣に住む同級生、八千草可憐とその友人の七海カエキリアくらいだ。
 学校に行っては誰とも話さず、すぐに帰ってきては暇をもてあましている彼の生活に変化が訪れるのは、7年振りに帰宅した父親徳治が一人の少女レムを連れてきたことによる。徳治曰く、彼女は悪魔で、自分の願いをかなえてもらった代償の支払を真尋に押し付けようとする。
 ところが押し付けられたレムはちょっと記憶力が良いこと意外は大体無能で、突拍子もないことをしたり、幽霊を怖がったり、猫に虐められたりする始末だ。そんなレムと契約することになった真尋は、友達が欲しいと願う。

 駄目な天使だという悪魔レムと同居することになり、他社との交流がある生活に心弾む真尋。そしてその交流を通して、レム以外の人間との関係も少しずつ変化していく。
 レムのボケにコメディを演じながら、人間関係の普遍的なテーマを交えて、穂積真尋という人間の純粋さを描いていく。悪魔を虐める天使や、八千草可憐の抱える秘密などもあり、今後の展開も色々と準備されているようだ。

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赤井紅介作品の書評