望む世界の違い

 ベティ・ザ・キッドとして父親ゲイルの仇ロングストライドを追う少女、エリザベス・スタリーヘヴンは、伝説の賞金稼ぎだったウィリアム・ブレイクや半シヤマニのフラニー・ベリーズと共に、南部との境であるグレートリバーにたどり着く。そこはへヴン秘密が隠された場所だった。
 同じ頃、ヘヴンが実際に存在することを知ったロングボトムは、自分を使役する組織を裏切り、ヘヴンに到る方法を探り始める。しかし、組織も彼の独走を簡単には許さなかった。

 ウィリアム・ブレイクとベティの出会いの物語や、ロングボトムの生い立ちを語りながら、シヤマニ最大の謎であるヘヴンの秘密に迫っていく。
 彼らの文明よりも遥かに進んでいたシヤマニの文明が地上から消え去った理由は何だったのか?マニトウとは何を為すものなのか?そしてなぜ、ゲイルたちは誰もが目指したヘヴンから戻ってきたのか?
 永遠の世界と、一瞬でありながら永遠の価値を持つ世界、何に価値を見出すかが問われている気がする。

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秋田禎信作品の書評