前門のビスケットハンマー、後門の朝日奈さみだれ

 大学生の雨宮夕日の部屋に突然現れたトカゲは、ノイ・クレザント卿と名乗った。夕日にささやかな超能力を授けたトカゲの騎士は、自分と一緒に地球を滅亡から護るようにいう。まともに取り合わなかった夕日だが、実際に泥人形という化け物に出会い、そこをお隣の朝日奈さみだれに救われてからは態度を一変させることになる。
 魔法使いが地球を破壊するために宇宙に作った巨大なビスケットハンマー。そいつが地球を壊す前に自分の拳で破壊してやるというさみだれのスケールの大きさに心打たれた夕日は、正義の味方の中にあって、さみだれだけに忠誠を誓う存在となる。
 ビスケットハンマーが地球を壊すのが早いのか、あるいはさみだれの拳が先か?どちらを向いても滅亡まっしぐらな気がする、ご近所さんによる地球防衛物語の開幕だ。

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水上悟志作品の書評