今から始まる過去の出会い

 初乃素直、間ノ居忠、神無月さよりの3人は、クラスメイトの高井深奈の招待で、高井産業の研究所がある孤島へ遊びに行く。迎えに出てくれたのは、深奈の血縁だという操野沈、諏訪公次、暮汰軒介たち。ゲストとして研究施設を案内された3人は、素体と呼ばれるシンプルなロボットを見せられる。それは10年前に自立した意識を発生させ、突如として消えてしまった存在だという。
 深奈とはまだ会えないながら、高校最後の夏休みを満喫する3人だったが、突然、研究施設の火災と、所長の諏訪公子の死という事態に遭遇する。そんな彼らの前に、深奈と彼女を抱き抱える動く素体が姿を現す。

 初乃素直が巻き込まれた事件は、10年前の意識発生という出来事の原因でもあり、高井深奈との関係の始まりの物語でもある。
 意識の転移を利用して因果律を超えるタイムリープものという感じです。やはり展開に荒っぽいところはあるのですが、妙に惹かれるところがあります。なお、タイトルのラスト・ビジョンは、走馬灯を意味している様です。

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海羽超史郎作品の書評