アニメの影響は大きそう

 巻末の600越えの作品インデックスを見て、今年もたくさんのライトノベルが出版されたのだなと思った。
 2009年10月1日から2010年9月30日までに出版されたライトノベルの読者によるランキング企画。今年は宝島社サイト経由で1,672人、情報発信者53人、モニターアンケート103人の有効回答と、過去最高の人数だったそうだが、これをランキングの母集団として多いと見るかは微妙なところ。無作為抽出ならば十分だと思うけれど、これはそうじゃないから。そういう意味では、くまざわ書店とらのあなの売上ランキングが実勢上の人気を表していると言えるかも知れない。
 また、宝島社もライトノベルを出版しているが、それはランキングの対象外とした点はさすがの対応といえる。

 ランキングはランキングとして押さえておいて、この本のポイントはどちらかというと情報発信者たちのオススメ本の紹介にある気がする。それぞれの趣味が色濃く反映され、実際の売上とはズレが生じることもあるが、読者の印象が伝わってくるという意味では役に立つ。
 今後の期待としては、対象作品のノミネート制、投票者数の拡大、アマゾンなどのネット書店の売上ランキングなど、データの精度・量を拡充する取り組みをお願いしたい。他には、評価基準のフレームワーク化もあった方が良いかも知れない。

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『このライトノベルがすごい!』編集部編作品の書評