可憐の秘密

 いつも穂積真尋の猫の飼い主探しを手伝ってくれる公園の主猫にゃんぽこからの初依頼で、子猫の飼い主探しをすることに。子猫に名前をつけたレムは可愛がるのだけれど、子猫には見下されているかも知れない。
 ある日、朝木宗助の買い物に付き合うことになった七海カエキリア。八千草可憐の提案により、真尋とレムの3人は、二人の様子を探るためあとをつけることにする。しかし、二人のデートを見守るはずが、可憐と真尋もデートの様になり…そんな時に異変が発生する。

 1巻はレムの登場とキャラクター付けがメインとなったが、今回は主人公・穂積真尋の幼なじみである八千草可憐がメインとなっている。
 心臓に病を抱える可憐は、それゆえに自分にルールを課し、自分を犠牲にしてでも周囲の大切な人を守ろうとする。そんな切なさもありつつ、主にはレムの天真爛漫というか無軌道な行動が描かれる。
 天使や悪魔という人外の生物がたくさん登場する割には、ほとんど奇跡的な解決はなされず、誰もがとても人間的な手段で努力して解決しようとする。とても不思議な状況なのに、そういう地に足のついた部分が強調されている作品です。

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赤井紅介作品の書評