はじめての調停

 海の真ん中に突如現れた島オルキヌスには、神話や物語の中で語られる幻獣たち、オルクが棲んでいる。オルクからの提案で、人類はオルキヌスに調停員を駐留させ、オルクたち種族間の争いなどを仲裁して彼らと付き合っている。
 稲朽深弦は新人調停員だが、彼女を指導するはずの調停員、秋永壱里が失踪してしまったため、オルキヌスに置ける自分の地位を確立するため、壱里調停員のパートナーのオルク・オリーブの指導の下、オルクたちの調停を始めることにする。

 人類を超える力を持つけれど、生きるために必要とするものがない彼らは、基本的に自分たちの趣味に生きている。そんな自由気ままな存在同士を仲立ちしなければならないので、その仕事には適正が必要になる。深弦のそれは、おおよそ突っ込み能力だ。このため、彼女の調停は、オルクのボケに対するツッコミという形になりやすい。
 成り立ちも不明な島に住む高等遊民的生物たちと人間との交流を描くコメディです。

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鳥羽徹作品の書評