ロウきゅーぶ!(蒼山サグ)

とっても買いづらいけど

 電撃大賞受賞作という理由だけで注文したのだけれど、メール便で届いた本の表紙を見てちょっと引いてしまった。アオリにはロリコン、小学生女子などと怪しい文字が並んでいて、明らかにこれは失敗!と思ったのですが、購入した以上はとりあえず読まなきゃもったいない。…おお、あおりから予想した内容のナナメ上を行っている。ホッと一安心。

 長谷川昴は高校一年生。中学時代は県選抜のバスケットボール選手であり、高校の部活でも期待の新人、だったのだが、入部直後にバスケ部部長が顧問の娘(11)と恋愛スキャンダルを起こし、激怒した顧問により部活は一年間の活動停止処分となってしまう。
 期待の新人から一転、奇異の目で見られるポジションに転落してしまう昴。そんな姿を見かねたのか、はたまた何か思惑があるのか、叔母である篁美星の強引な誘いにより、美星が顧問を務める女子バスケ部の臨時コーチを引き受けることに。
 ここで問題が一つ。美星の勤務するのは小学校。当然教える相手は小学生女子。部長の一件を考えると、ここでも何か起きてしまうのか、何て心配をしてしまうが、そういうことは起きない。非常に真面目なスポーツものに変身してしまうのである。

 練習場所を奪おうとする男バスとの試合をすることになった女バスの面々。経験者は湊智花ただ一人。勝負は二週間後。どこをみても勝負になる要素は見られない、はずなんだけど、メンバーの個性を生かし、ピンポイントで技術を磨き、心理戦まで駆使してなりふり構わず戦いを挑む。
 彼女達をコーチする過程で少しずつやる気を取り戻していく昴の姿といい、ライトノベルには珍しい正統派スポーツものと呼んで良いだろう。



   bk1

   
   amazon