おまけ制作秘話が満載

 中学校の部活でゲームを作る、という基本線があるはずなのだけれど、なかなかその通りには物語が進まない。おおよそ、荒垣部長が適当に方針だけを決めて丸投げし、ニシンがそれを拒否するか欲望丸出しで暴走するかして、それを元に引き戻そうと姫野がオロオロする、という展開になることが多い。
 ゲームの制作作業は、地味にコツコツとやる部分が多いから、あまり画面が動かない展開になりやすいと思う。だからこそ、各キャラクターを突き抜けさせて、突飛な行動をとらせることで物語を動かすのだろうけれど、それだとわざわざゲーム制作を題材にした意味が薄くなってしまう。
 ゲームづくりの魅力や面白さを中心にすることも可能だと思うのだけれど、それだとターゲットとなる年齢層が少年誌の範囲から飛び出しそう。結局、ゲーム制作は添え物として、ギャグ要素で引っ張っていくしかないのかな?

   bk1

   
   amazon

   

小笠原真作品の書評