鳥かごを食い破るために

 黒崎の本来の復讐の対象である御木本を追い詰めるための罠を張り巡らし始めた。桂木の目を盗み、白石と情報共有をして、御木本の計画に必要な詐欺企業をひとつひとつ潰す黒崎。
 有名人ならば信用できる/有名人になりたいという漠然とした心理/希望を利用した詐欺、公共事業の落札価格を知りたいという建設業者の心理を利用した詐欺、そしてエコという単語がつけば無条件に良いことだと思い込んでしまう心理を利用した詐欺、様々な詐欺師をこれまでと同様に喰らいつつも、桂木の思惑を超えようとする黒崎の行動は、これまでにも増して緊迫感を感じさせてくれる。

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黒丸作品の書評