モノではなく人として

 ある島を支配する二つの王家のうち、一方が滅ぼされる。滅ぼされた方の王女を生け贄として、滅ぼした方の第二王子が自分と妹の生き残る道を守ろうとするのだが、一緒に旅をするうちに互いに情が移ってきて、という筋書きの物語。戦闘シーンなどはほとんどなく、一方は憎み、他方は無関心な関係が、様々な出来事が起きていく中で少しずつ変わっていく様子を描いている。
 ストーリーの核にあるのは、王家に生まれた姫君たちの運命と、それを利用する人々といったところでしょうか。静謐で物悲しい雰囲気を持った作品です。

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淡路帆希作品の書評