ストーリー性も秘めたコメディ

 両親から送られてきた弟は、しゃべる犬だった。リリエンタールと名乗る犬と共に帰るてつこと兄は、バスの中で変なサングラスの黒服集団に襲われる。その時、リリエンタールの体が光ったかと思うと、バスは何故か海の中にあった。

 人の心に反応して世界の一部を変えてしまう力を持つリリエンタールと、それを狙うちょっと間抜けな黒服集団。泰然自若な雰囲気の兄と強いのにどこか弱いてつこの兄妹など、突出しているわけではないのに独特で魅力的なキャラクターたちが登場し、何かじんわりと面白い。

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葦原大介作品の書評