忘れ物を取りに

 夜の学校に忘れ物を取りに帰る。今日、無理をして取りに行かなくても何とかなるんだけれど、やっぱり忘れっぱなしにして置きたくないので、怖い気持ちを我慢して戻る。忘れ物は元のまま残っているとは限らないけれど、今どうなっているかを知ることが出来れば、次の手立てを考えることが出来るのだ。
 今回も二部構成になっている。後半が本当に書きたいことだったとすると、前半は迂遠な感じがしなくもない。前巻であんな仕掛けにしなければ、まとまってしまうような気がした。まあ、でも、ストレートにいった方が良いとは限らないし、受け入れるまでには時間がかかることもあるから、必要なことだったのかもしれない。

 本筋とは関係ないところで、色々と小ネタが仕込まれているのも面白かった。

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柴村仁作品の書評