瞬間瞬間の面白さを求める

 いつもとあまりにテンションが違うのでビックリ。思いついたら即実行という感じ。最初は別人みたいと思ったけれど、これはこれで何となく自然に感じるし、最後にはやっぱり同じ人という印象になった。

 ストーリーは、後輩の七花連がタイムトラベル能力に突然目覚め、それを知った先輩の柊和泉が能力を利用していたずらしたりして遊ぶというもの。そしてその結果、柊は色々と葛藤を抱えるのだけれど、最終的には解決していく。
 ほとんどはアニメのパロディートークやしょうもないギャグなんかで埋め尽くされているのだけれど、その中で考え方が変化していき、やる気のない男子高校生が人生の目的を見出していく、という真面目っぽい柱もある。

 ただ今回は、ストーリーや構成の妙を目指すよりも、瞬間瞬間の面白さを追及する方向にあるのは明らかだと思う。電撃はここ数年、こういう方向に転換した作家さんが結構いる気がするな。以後の作品がどの方向に向かうのかは定かではないが…以前の作風が好きな人には敬遠される可能性もあると思う。
 ところで、章題の2番目の数字は跳んだ数なのかな?

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久住四季作品の書評