イノセンスに振り回されたエクソシストの悲哀

 ノア一族により制圧されたサード・エクソシスト研究の中心地。そこに隠されていた神田ユウの同類アルマを覚醒させるため、ワイズリーは神田ユウを過去の記憶の中に送り込む。それに巻き込まれたアレンが知るセカンド・エクソシスト生誕にまつわる忌まわしい事実とは。
 聖戦の名の下に、中央庁が行ってきた残酷な実験と、最後までイノセンスに振り回されたエクソシストの悲哀がそこにある。

 ほぼ全て過去の話になっている。当時の実験に関わっていた研究員たち(パクの父母など)については幕間のページで少しフォローされているけれど、巻末の番外編につなげたいなら、ユウとアルマの話だけでなく、研究員たちについての描写ももう少し欲しかった気がする。

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星野桂作品の書評