まさにモラトリアム

 将来の夢のために街を出ていく友人を見送るキリエ。その胸に去来するのは、自分は何者になるのか、という疑問。鍵以外のことに興味を持てるようになったからこそ抱く自分への問いではあるが、そんな想いを抱きながら、今日も彼は監獄砦へ行く。
 そんな彼の町にやってくるのは、封緘術と大統領の秘密を知る少女ジニィ。たまたま知り合っただけの彼女は、何故かキリエに敵意を見せてくる。まるであのリュリュの様に。

 今回は、何故大統領が大統領になったのか、そして過去に何があったのか。その一端が垣間見えるお話です。巻末に「監獄砦の一日」を収録。

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池田朝佳作品の書評