中学生の世界だからこそ起きる騒動

 面倒を避けて誰も関わろうとしてくれないハデス先生に対して、藤たちの担任でもある才崎美徳先生が真っ向勝負を挑むのだけれど、一方は熱血で空回り気味、他方はわが道を行く奇行の連続で全くかみ合わない。そんな状況とは全く関係なく、生徒たちのささやかな欲望に反応して、病魔たちは騒ぎを巻き起こしていく。
 ハデス先生自身が解決に向けて動くパターンと、生徒たちが事態を収拾するための道具としてハデス先生が利用されるパターンがあって、病魔という設定が物語に与える縛りも小さいから、バラエティ豊富な展開が可能になっていると思う。

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藍本松作品の書評